フェアレディZ33に良くある故障や注意点についてまとめてみました。
すでにZ33オーナーの方はご存知かもしれませんが、これからZ33に乗ろうと考えている方や、
Z33に乗り始めて間もない方などの参考になればいいなと思います。
今回の動画
私のYouTubeチャンネルでは、他にもZ33に関する動画を上げています。
興味があればご覧ください↓
良くある故障について
ここからは、良くある故障について書いていきます。
デフマウントブッシュ
Z33の弱点として良く挙げられるのは、デフ周りです。
特に、デフマウントブッシュは傷みやすいパーツです。
このように、デフマウントブッシュが破れて中に封入されているグリスが飛び出してしまい、
ブッシュ本来の性能を発揮できなくなる場合が多く見受けられます。
これはサーキット走行など負荷がかかる走行をしていない車両でも、起きてしまいます。
Zのデフは単体で40kg程度重量がありますが、車体への固定は3点支持です。
このクラスのデフだと4点支持がポピュラーだと思いますが、Z33は3点支持であり、
固定ボルト位置もセンターではなくオフセットしていることから、特に車体後方のデフマウントブッシュへの負荷が大きく、
その結果デフマウントブッシュの破損が起きやすいのだと考えられます。
このブッシュが破損してもただちにデフが壊れるようなことはありませんが、
デフの動きを抑える性能は落ちますので、スポーツ走行を楽しみたい方にとってはマイナス要素になります。
私はデフマウントブッシュをホワイトラインのものに交換していますが、交換後はアクセルをぐっと踏み込んだ時の車体の動きが落ち着いたような感じして、
調子が良いです。
なお、デフが3点支持ということが影響しているのか、デフ固定ボルトが破断してデフが脱落してしまうというケースもあるようです。
Z33でサーキット走行中にデフが脱落したケースがYoutubeに出ています。
また、ブログ記事で書いてあるケースもありますので、気になる方は「Z33 デフ脱落」などのキーワードで検索してみてください。
デフオイルの油温が高くなる
また、サーキット走行などにおいてはデフオイルの油温が上がってしまうことでデフオイルが噴いてしまうこともあるようです。
これは、空冷フィン付き&容量アップデフカバーに交換したり、デフオイルクーラーの装着によって改善が見込めます。
通常走行においては、特に問題はありません。
ドアアウターハンドルの故障
Z33のドアアウターハンドルも良く壊れることが知られています。
ドアアウターハンドル内部が損傷することで、外からドアが開けられなくなる症状が出ます。
その原因は、単純にアウターハンドルの部品強度が足りないものと思われます。
Z33のドアは非常に重く、ドアの開け方によってはアウターハンドルに負荷がかかってしまうため、
丁寧なドア開閉操作を心がけた方が良いと思います。
パワーウィンドウの故障
Z33はドアを開閉する度にサイドウィンドウが上下します。
そのため、パワーウィンドウモーターが作動する回数が多くなり、
その結果としてパワーウィンドウモーター(カーボンブラシの摩耗など)が故障しやすいようです。
これは構造上仕方ないですね。
リアハッチダンパーが弱くなり、リアハッチが勝手に落ちてくる
Z33のリアハッチは重量があるため、リアハッチを支えているダンパーにかかる負荷も大きいです。
そのせいか、特にダンパー内部の圧力が低くなる寒い時期になるとダンパーがリアハッチを支えきれず、
勝手にリアハッチが落ちてくる症状が起きやすいです。
Z33はGTウィングなど、リアハッチに追加パーツを付けている車両もありますので、
そういった場合はより症状が出やすくなります。
ダンパーがへたった場合は新品の純正ダンパーに交換するか、強化ダンパーに交換するか、
またはつっかえ棒などでしのぐという荒技もあります笑
ダンパーの交換はそう難しくないので、Z33のトラブルの中では比較的かわいいものです。
ただし、ある日急にリアハッチが落ちてきて怪我につながってもいけないので、
リアハッチを開けた時は時々ダンパーの作動状態を確認するのが良いかと思います。
ラジエターファンモーターが故障してオーバーヒートする
ラジエターファンのモーターが故障して動かなくなり、オーバーヒートにつながるという故障もよく耳にします。
これは厄介な故障で、時期や条件が悪い時に起こるとエンジンにダメージがいきますので、
異常を感じたらすぐに点検が必要です。
実際にこの症状を経験した人によると、いつもより足元が熱くなり、車内に変なにおいが立ち込めてきたようです。
水温計の針がいつもより上昇している場合や、停車時にラジエターファンの動作音がしないなど、
異常に気付けるような心構えも必要かもしれませんね・・・。(^^; )
▼追記:私のZもラジエターファンモーターが1つ壊れたので交換しました
VQ35DE、特に294PS仕様のエンジンはオイル消費に注意
VQ35DEエンジンはエンジンオイルを消費する事例が見受けられるようです。
僕のZは特に問題なく走っていましたが走行距離が12万kmを超え、高速道路を多用した時は
エンジンオイルが消費するようになりました。
エンジンを回して走る時はオイル量のチェックも大事です。
硬い粘度のオイルを使用すると冷間時にハンチングが起こる
Z33指定オイル粘度は5w-30ですが、10w-40やそれ以上の硬い粘度のオイルを使用すると
冷間時の時に可変バルブタイミング機構が正常に作動せず、2000rpm付近で負荷上がらなくなるハンチング症状が起きるようです。
油圧で作動する可変バルブタイミング機構は繊細な部品なので、オイル交換時のオイルフィルター交換も重要です。
オイル粘度以外の要因でも同様の症状が起こる場合がありますが、可変バルブタイミングに起因する症状だと思います。
実際に私のZでもハンチング症状が起こりました。
オイル粘度が原因だったため、オイル交換することで症状が改善されました。
MT車はクラッチに注意?
Z33のクラッチはトラブルが多い印象があります。
前期型においてはクラッチピボットボルトの破断によりクラッチが切れなくなったり、
後期型においてはレリーズシリンダーのオイル漏れによってクラッチペダルが戻ってこなくなるなどの症状が起こる可能性があるようです。
いずれも社外品で対策部品が出ているので対応可能ですが、お金はかかります。
(クラッチトラブルはクラッチを降ろすケースが多いので工賃も高いです)
イグニッションコイルの故障
前期型でよく報告されているようですが、イグニッションコイルが故障してしまい、
故障した気筒はプラグから正常に火花が飛ばず不燃焼状態となるためエンジン音が変化し、パワーが出なくなります。
イグニッションコイルが故障した時はメーター上のVDC、SLIPマークが点灯する場合もあります。
ヘッドカバープラグホール周辺のオイル漏れ
プラグホールへのオイル漏れの症状もあります。
プラグ交換時にプラグのネジ山へオイルの付着が見られる場合は、オイルが漏れているので修理が必要になります。
リアハッチ付近から異音?
これは私の事例ですが、ググってみると似たような悩みを抱えている人がいたので記載しておきます。
エアコンをかけている時など、車内が冷えているときに運転席の左後部(リアハッチ付近)から
「キシキシ、ギチギチ」といった音が聞こえます。
私はリアハッチの内部にニードルフェルトを詰め込んで異音を解消しました。
注意点について
ここからは注意点について説明していきます。
エアコン・パワステファンベルト
これはエアコンやパワステのファンベルトです。
これらが切れると発電しなくなってバッテリーが上がったり、エアコンが効かなくなったり、
パワステが効かなくなったりします。
劣化していると切れる可能性があるので点検して状態を把握しておくことが必要です。
コーナリング中にパワステベルトが切れると、ハンドルが急に重くなってしまい非常に危険です。
ABSの不具合
タイヤ外径の前後比率を純正状態から大きく変化させた時に、ABSが誤作動を起こしてしまうことがあるようです。
これはYoutubeにたくさんのABS誤作動動画が上がっていますので、そちらを見ると分かりやすいです。
ベストモータリングのサーキットアタックや峠のアタックでも起きている場面があります。
プロドライバーでもうまく対処できないような不具合のため、
Z33の中古車を買った時に、ホイールが交換されていてタイヤサイズも純正から外径が変わっている場合は、
注意が必要です。
助手席のドアは運転席側ドアよりも内側から開け辛い
Z33の助手席側ドアを内側から開ける時、持ち手のハンドルがドア根元に近い場所に付いており、
力が入れ辛いため運転席側よりも開け辛くなっています。
そのため、スペースがあまりない狭い場所で乗り降りする時にドアを開けすぎてしまい、ドアをぶつける恐れがあります。
初めて乗せる人など、Zにあまり慣れていない人とドライブに行く時は注意が必要です。
隣との間隔があまりない狭い駐車場や、風が強い日や駐車場所が傾斜になっている場所では、
特に注意が必要です。
助手席側の方がドアを開け辛いため、駐車時は助手席側に余裕を持たせて駐車すると同乗者に優しいかと思います。
フロント周りのブッシュについて
Z33は車高を下げるほど、フロントのナックルアームについているボールジョイントブーツに亀裂が生じやすくなるそうです。
また、フロントロアアームのブッシュが破損してブッシュとアームの位置が適正ではなくなり、
アライメントが狂ってうまく走らないケースもあります。
このケースは、フロントに幅広のハイグリップタイヤを履かせてドライ路面のサーキットを走るなど、
高負荷がかかる走行をするとより起こりやすくなります。
タカアキ様
私は66歳の神戸在住おじさんです。何気なく見たタカアキさんのZ33の動画を見てフェアレディZに再度興味を持ちました。再度というのは私が20代の時にカッコ良い車で乗ってみたいなと思っていたからです。
そしてついに今年になってベンツSLK230からフェアレディZ33ロードスターに乗り換えました。
(仕事用はカローラフィールダーですが、気分転換に別の車を乗っています。)
どちらもオープンカーですが、Z33の馬力はすごくて、音も良くて惚れ込んでいます。
時々、タカアキさんの動画をYOUTUBEでバックグランドで流して運転していると、旅行している気分になって楽しいです。
タカアキさんとは親子ほど年は違いますが私もZ33を大事に乗りたいと思っています。
ところで、質問なんですが私のマシーンは2006年で走行距離8.4万キロです。
今のところ不具合はありませんが、チョイのりが多いのか燃費が7kM/Lから伸びないのでプラグ関係の交換を考えています。
スパークプラグをタカアキさんが変えていたNGKにしようと思います。タカアキさんはイグニッションコイルは取り替えされてなかったですか?
予防のメンテナンスでプラグは取り替えようと思いますがイグニッションコイルも一緒に替えるか悩んでいます。私の場合はメカに弱いので器具を整備工場に持ち込みでやってもらおうと思います。
同時にする場合は¥9.000なので日立イグニッションコイルU08105-coilなら少しは純正よりも安いの
で良いかなと思っています。
タカアキさんのご意見をうかがえればと思います。
T.OKADA様
こんにちは!YouTubeご覧いただきありがとうございます。
燃費に関してですが、僕のZも渋滞している街中ばかり走っていると5~6km/L程度まで落ち込むことがあります。
3500ccの排気量のせいか、アイドリング状態が長くなる状況だと燃費が落ち込む感覚があります。
郊外へドライブに出かけると12km/L程度まで燃費が良くなりますが、チョイ乗りが多い場合で7km/Lというのは正常の範囲かな?と個人的には思います。
しかし8.4万キロ走行されているならプラグ交換はちょうど良いメンテナンスタイミングだと思います。
僕のZは7.5万キロ走行時にNGKのプレミアムRXプラグに交換しましたが、フィーリングが良くなりました。
なお、その時はイグニッションコイルは交換していません。
現在の走行距離は12万キロですが、特に問題なく走れています。
僕の場合はイグニッションコイルの同時交換はしなかったですが、作業工賃やお店に行く手間を考えると
プラグとイグニッションコイルの同時交換はいい考えだと思います。
参考になれば幸いです。
コメントや動画を楽しみに拝見しています。
Z33に限らず最近の日産車はコストダウンの影響で、がっかりするような品質です。
Z33については、新車より走行距離15000キロで、セルモーターのピニオンギアが戻らなくなり、セルモーターとバッテリー交換に始まり、走行距離30000キロでオイルポンプギア取付ボルトがゆるみ、ベアエンジン交換。走行距離45000キロでデフマウントボルト破断によりデフキャリア脱落です。
Z33共通な症状としては、メータークラスターのベト付き(以前はプラスチックに色を練って制作していたが、コスト削減のため、黒色塗装)の為、メーターフード上下、サイドSWを交換。
パワーウインドウフィニッシャー及びエアコンフィニッシャー並びにセンタークラスターも黒色塗装の為剥がれる。
外装では、フロントウインドウのAピラー下部(カウルトップグリル付近)及びドア上部のプラ部分のシーリングラバー並びにロッドアンテナのベト付きです。
他社と比較して、イグニッションコイルの劣化も早いです。
パワーステオイルもワインディングを走行すると吹く始末です。
エアーバック警告灯の点灯等々で品質は低下しています。
現在14年と50000キロ走行ですが、引続きZ33ライフを満喫していきたいです。
こんにちは。
コメントありがとうございます。
情報も詳しくありがとうございます!
とても参考になります。
僕のZも気になる箇所はありますが、まだ乗っていきたいなと思っています。
壊れないよう壊さないよう、楽しんでいきたいです。
今後ともよろしくお願いします。