たけさんに会いに行く【徳島】

昨日は夕日が目に染みた。
夕日はいつもと変わらないのに、受け取る人によって夕日がもたらすイメージは様々だ。
その時の私には、とにかく目に染みる夕日であった。

 

さて今日は、うだつの町からスタートだ。
テントを撤収する際に、近くに落ちていた空き缶を拾っておいた。
来た時よりも美しく、あの精神である。
でも空き缶の中身を捨てると一緒になめくじが出て来て、
おしることかコーンポタージュの残りを出す時くらいの必死さでなめくじを出しておいた。
ちょっと空き缶を拾うのがイヤになった。

 

さて、今日は徳島県三好に住んでいるたけさんという友人に会いに行く。
昨日はゆうちゃんに会いに行ったが、今日はたけさんに会いに行く。
四国は割と、友人知人が多いのだ。

 

起床は5:00。
旅人は、外で寝ていると日が昇ると同時に目が覚めるようになっている。
とっても健康的だよね。
そして朝日を浴びながらストレッチを開始する。
私は体が硬い。
しかし硬いままだと怪我をしやすくなってしまう。
筋を痛めたりだとか、ささいな痛み、怪我であってもそれをかばうように体を動かせば、
今度は別の箇所に負担がかかってしまう。
それを防ぐためにも、自転車を漕ぎだす前にストレッチを行うようにしている。
朝日をあびながらストレッチをしていると、
自分が殊勝なチャリダーになれたような気がして、
その意味も含めてキモチイイのだ。

 

ストレッチをしていると、軽1BOXカーで車中泊しながら日本一周をしているというおじさんに話しかけられた。
いつものように、どこから来て、どこまで行くのかと尋ねられた。
そのおじさんは、声色というのか、声調というのか、
声の調子が明るくて、澄んでいた。
簡単に言えばとても良い声をしていた。

 

ほら、仕事行く前の朝の時間って、
中々良い声がでないんじゃないかと思うんだ。
私の場合はそうだった。
「あぁ……」
とか
「おぉ」
くらいの、低い重い声しか出なかった。
しかし、休み前で仕事終わった後なんて、
「イェーイ!めっちゃホリディ!」
って歌えるくらいに、明るくなってた。
そんな、声の調子ってあると思うんだけど、
今日話したおじさんは、朝一番からとてもきれいな声だったので、
少しびっくりしてしまった。
私はこうして旅をしているというのに、
将来の不安だとか、今後の生き方とか、
いつも頭の片隅にあるためなのか、今を生きられないのか、
何なのかはわからないが、そこまで心から明るくはなれていない。
だからおじさんが羨ましかった。

 

 

そのあと、おじさんの奥さんもやってきて、奥さんが
「じゃまにならんかったらいいんだけど」
と、アメちゃんとクッキーをくれた。
この度初めて以来の、餞別だ。
私はどこにも日本一周中という看板を付けていないから、なのか、
そういった何かもらうとか、声をかけてもらう機会は少なかったし、
あるとも思っていなかったからとてもびっくりした。
ありがたく受け取った。

 

おじさんは愛知、おばさんは北海道の江差出身で、今は日本をぶらぶら旅しているらしい。
私がそこから離れる時、もう一度挨拶に行ったら、
夫婦仲良くご飯を食べていた。
まぁ、あの限られたスペースの軽1BOXでふたり旅だ。仲がいいしイビキもあまりかかないんだろうな。
おじさんの声の調子が良く感じられたのは、本当に旅が、楽しめているからなのかもしれないな。
おじさんは私にこう言っていた。
「自転車か!いいねぇ若いうちにどこまでも走ったらいい!」
でも私はおじさんを見て、
歳とったら車で旅しようかな!
そう思えた。素敵な二人だった。

 

さて今日も、雲ひとつない快晴だ。
今日はたけさんに会いに行く。
とその前に、潜水橋があったので近くに行ってみることにする。
ちなみに朝の気温は9℃とやや肌寒い。
あたたかい寝袋を持って来ているので、寒い思いはしなかったが、
5月の中旬で標高も高くないのにも関わらず、やはり朝と晩は冷えるようだ。

 

潜水橋で写真撮影。
車も普通に通る。
8tまでなら通れるらしい。
今は朝の7時で交通量も少ないから、この隙に思う存分記念撮影をする。

 

走っている姿も記念撮影!
もう1000km近く走っているのにも関わらず、
全体的にファットな気がするが、
気のせいではない。

 

吉野川沿いの土手を走っていたら、道に川が流れていた。
どうしようかな。
とりあえず自転車を押して渡ることにする。
川の中でこけたら困るからね。
その時気付いた。
私はずっとサンダルを履いていたんだ。
サンダルしか持っていない。
そう、私はサンダル。川に臆する理由など無いのだ。

 

やっと日の目を見たサンダル。
時々、聞かれることがあった。

 

「どうしてサンダルなんですか?」

 

と。
でも私からしたらどうしてサンダルじゃないんですか?
だ。
まぁ確かに、2枚か3枚か爪がうげる可能性もあるから、おすすめはできないが、
このように水陸両用である!
最高でしょう。

 

もくもくとたけさんの家に近づき、少し迷ってたどり着いた。
たけさんと会ったのは1年ぶりかそこらで、前回いつ会ったのかはもう忘れてしまった。
それでも出会った瞬間にすぐ馴染んで話すことができる。

 

たけさんとは8年ぐらい前に予備校で出会って、
酸いも甘いもたくさん話した仲だ。
お互い良いところも悪いところも知っている。
人間良いところばかりではない。
よく出来た人でも悪いところもあるし、ただ単に自分に合わない部分というものあるだろう。
それらを含めてお互いを知っている、
それは、お互いの本質を知っているということだと思う。
本質というのは中々変わらないし変えられないものだ。
いくら外見が変わっても、本質は変わらない。
その本質を知っているから、何年経っても変わらずに話ができるんじゃないかな、
今日たけさんと話しながらそんなことを感じた。
こんなことはハタチそこそこで出会った頃にはとても考えなかったことだ。
昼頃にたけさんと会って、3時間ほど話をして私は出発することにした。

 

なお、たけさんに会った時にこう言われた。

 

たけさん「てっきり靴履いてると思ったのにサンダルだからさぁ、はだしのゲンかよって思ったよ」

 

ちゃんとサンダル履いてるだろ!

 

たけさんのお父様が餞別にと野菜ジュースを12本くれた。
野菜1日これ一本。それを明日から毎日3本くらい飲んで行こうと思う。
お父様はやさしいけど、たぶん不器用なんだろうな笑
たぶんというのは、たけさんがそうだから、そのたけさんのお父様も不器用にちがいないという目論見だ。

 

 

そこからは長い峠の上りを走っていく。
だんだん脚も鍛えられて来ており、
足をあまりつかずに上っていくことができた。
途中休憩していたら、ブログにコメントしてくださっている方がいてとても励みになった。
よし、頑張ろう!
そう思って峠を走っていく。
走りながら、今日の朝もらった飴ちゃんをなめている。
こうすれば低血糖状態にはならないかな!?
という素人の浅はかな考えではあるが、
そういう気になるだけでも効果はある。偽薬効果というものがあるのだ。
人はたとえ科学的に意味がなくとも、思い込むことによって本当に、
効果が出てしまうことだ。

 

 

そうして峠の頂上に差し掛かり、
下りのトンネルへと突入する。
トンネルの長さは885m。やや長いトンネルだ。
両脇の歩道はとても狭いもので、走りづらそうだ。
いくら法で自転車は車道を走ると定められていると言えども、
日本の車道は狭すぎる。
時には、無理があるだろう?と思う時もよくある。
この場合もそうであった。
できれば歩道を走りたい。
けど平均台の上を走るように気を遣いながら歩道を走るのはめんどうだ。
長さは885m。結構長いんだ。

 

それにトンネルといっても、下りのトンネルだ。
よし、ここは思いっきり加速して車道に突っ込んでいくぞ!
ギアは一番重たくして、加速していく。
40km/h以上で走る!
ペダルは漕ぐのではなく回すんだ!
パワーのロスを最低限にする。
しかし40km/h以上になると前輪の接地感は途端にナーバスになる。
ちょっとした段差でも吹っ飛んでいきそうだ。
かといって車道の真ん中は走れない。
車が来るためだ。
自転車が走ることができる範囲で、路面の轍を読み取りながら正確に無理のないラインを走っていく。
それでもペダルは全力で回していく。
完全な下りになってペダルを漕ぐのをやめたら、道路の轍に合わせてロデオのように乗りこなして行く。
こんな時間が、意外なほどに楽しい。
私は、バイクでも車でも、とにかく走っているだけで楽しい。
それは自転車でもそうだった。
こうして走っているだけで、私はとても楽しい。
これが私の旅だ。これでいいんだ。

 

峠を下り終えたら、ほっかほっか亭に寄って野菜炒め弁当を購入した。
ほっかほっか亭で長い間バイトしていた事があったのだが、
それからずっとファンなのだ。
そうして夜はコンビニでビールを買って寝床で飲みながらブログを書く。
なんとも現代的な旅人だなぁと思う。
それでも楽しみにしてくれている人がいるのなら、私は頑張りたいと思っている。
明日は、愛媛にいるやまだという友達に会いに行く。
待ってろやまだ!

 

 

◆Next







 



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