大阪LOVER【大阪】

昨日は雨の中家を出発し、
60kmほど雨に打たれながらの走行であった。
兵庫県の赤穂で野宿を行なった。

昨日寝たのは22:00頃だった。
朝起きると外が明るくなっていたのでテントの入り口を開けてみると、
綺麗な朝日と海が見えた。
旅人は朝日に起こされるため、日の出を見るのは中々難しいかもしれないな。
すっかり海面から出た太陽を見ながらそう思った。
昨日買っておいたペペロンチーノを朝ごはんとして、
出発のためテントを撤収する。
撤収作業をしていると、蚊の猛襲にあう。
顔の付近を飛んでいたので、
パン!パン!とやっつけようとしていたら、
足に3匹とまっていた。
「こりゃあおえん」
高速張り手うちをくらわせておいた。
昨日はテントを張るか、そのまま寝るかで悩んだが、
テントを張っておいてよかった。
蚊に刺されて眠れない夜を過ごすところだった。
その後は、蚊と戦いながらも出発準備を終わらせて、
まだ肌寒い5時の朝早く、飛び出していく。
天気は良好。
少し走って、自販機のコーヒーを買ってアサイチのコーヒーをいただく。
海を見ながらコーヒーを飲むのはたまらないね。
今日は、大阪に住んでいる友達に会いにいく。
120km程度距離があるみたいなので、今日はそんなにのんびりもできなさそうだ。

走ってすぐに、少しの山を越える。
車やバイクなら楽しい赤穂の七曲り。チャリンコだとちょっとつらい。
下りでは50km/h程度のスピードが出た。
山を越えると、道の駅が現れた。
ちょうど、便意をもよおしたところだが・・・、
どうする?
うんこ「出発準備ならできてるぜ」
そうか・・・。
じゃあ、道の駅に寄ろうかな?
ブレーキをかけて、道の駅に寄る。

道の駅には、テントを張っている人がいて、
テントのそばには日本一周中と書かれたボードがあった。
どうやら日本一周人らしい。けれど人影は見当たらない。
まだおやすみ中なのかな?
私は任務を済ませると、自転車へ戻る。
自転車はこう言っていた。
自転車「少し軽くなったようだな」
「へへ・・・、そうかな?///」
話す人がいなくて、心の中の独り言が増えていく。

それから、姫路の街で温泉に入った。
温泉の近くにはパチンコ屋が多く並んでいて、
珍しい温泉だった。
というよりも、パチンコ客が利用する温泉のような、そんな気さえした。
温泉ではとてもスッキリしたのだが、
たまにいる
「カァーーーーーッッッッツツ!!!」
って痰かなんかつまってるおじさんがいて、
カラスがおるんかと思った。
サウナにも入ろうかと考えたが、
まだ昼だし、サウナで体力を消耗してもいられないな、そう思い入ることはなかった。
体重は、71,5kgだ。痩せよう!
いくら自転車を漕いでも、食べるものに気をつけなければ痩せることはない。
そのため、今日はサラダや、たんぱく質が多く含まれているというザバスのドリンク、
そしてお腹が空いたからマックでハンバーガーを3つ食べた。
うーん、やっぱり食べすぎか(- -;

 

走っていると、クロスバイクという自転車に乗ったお姉さんに抜かされてしまった。
健脚そうなお姉さんだ。
普段着だから、そんなに本気チャリダーって訳でもないのかな。
私は、遠ざかるお姉さんを見ながらペダルを漕ぐ。
しばらく走ると、信号待ちで捕まったのか、お姉さんが近くにいた。
時速20km/hちょっとで走っている。
そこそこのペースだ。
しかしどうだろう。
さっきまでタレていた私の足が、少し元気になってくる。
お姉さんに離されまいと、私も頑張って自転車を漕ぐようになった。
私はこの時思った。
目の前をお姉さんが走ってくれたら、200kmは軽く走れそうだ。
と。
その後お姉さんは曲がって行き、
直進する私はほどなくして再びたらたらと、走り始めた。
目標があると人は頑張れる!
そう綺麗に変換しておこう。
昼を過ぎたが、日が高いうちは暑くて体力を奪われてしまう。
サイクリングというか、スポーツに近いような、
時々苦しくなる時もある。
休み休み走っていこう。目指すは大阪!
目的地に向かって進んでいく。

順調に走っていくと、明石の街に着いた。
明石海峡大橋が見えるビュースポットで一休憩入れる。
汗はダラダラとかくほどではないものの、
手は薄く汗ばんでいるようで、べとべとして気持ち悪い。
持っている水で洗い流す。
手汗をかく人の気持ちも分かる。
手に汗をかいた時は、水で洗うと一番気持ちいいね。
走行中の飲料水として、ミネラルウォーターを常備しているが、
手洗い水にもなるので重宝している。
暑くなり、昼ごはんは食べたがこれでは大阪まで体力が持たないと判断し、
コンビニに寄ることにした。
汗をかいて、塩分が不足していると思ったから何かしょっぱいものを食べようと思った。
ここで寄ったコンビニで小さな事件が起こった。

私はファミリーマートに寄って、ツナパンとリプトンのミルクティー、そしてレジ横に置いてあったファミポテなるものを購入した。
ファミポテは初めて購入したが、塩分の摂取が目的だった。
そしてそれを店内のイートインコーナーで食べていた。
ツナパンを食べて、ミルクティーを飲んで、最後にファミポテを食べた。
ファミポテは、全然味がしなくて、
「あれ?おかしいな」
そう言って、ファミポテの横の注意書きを見てみると、
どうやらなんとかパウダーというものを振りかけて、
シャカシャカと袋ごと振ってポテトにパウダーをまぶして食べるものらしい。
しかしその肝心なパウダーはどこにも入っていなかったから、
レジの店員さんに聞いたんだ。
でも、その店員さんがベトナム人の男で、
パウダーは有料みたいなことを言っていて、
そんなはずはないだろうと思っていたら、
ベトナム人の男が、もう一人のスタッフを呼んでいた。
(あぁ、これで大丈夫かな)
そう思って振り返ったら、ベトナム人の男が呼んでいたのは同じベトナム人の女の店員さんだった。
ベトナム語のやりとりのあと、
男はいくつかのソースを僕に提示した。

 

・バーベキューソース
・マスタードソース
・ケチャップ&マスタード

 

僕はケチャップ&マスタードを手に取り、にこやかに立ち去った。
ベトナム人の男も女も、イェー。そんな感じだった。
僕は再びイートインコーナーに戻って、
ポテトにケチャップ&マスタードを噴射して、
袋を振った。
その時気付いた。
「これ、違うんじゃね?」
パウダーじゃないし。
これは明らかにホットドッグ用のケチャップ&マスタードじゃろう。
ポテトはべちゃべちゃ。おしぼりはついていなかった。
でもおしぼりくださいって言って、有料ですと言われてもかなわんし、
指に付いたケチャップは舐めといて、残りはズボンで拭いといた。
くそう、ファミポテの正体は謎のまま。
今度からは、こういうことがあっても、
自分を強く持ってパウダーを要求できるようになるぞ!
これからの社会、そういう考え方も持っていないとな。
風に吹かれながら、私は一つ勉強したのだった。

 

そして明石を抜けて神戸へと進んでいく。
街中の道は、車道が狭い。
自転車は車道を走る決まりだが、交通量が多くて車道も狭いので
歩道を走る。
しかしその歩道も狭く、歩行者が歩いていると自転車は車道を走らざるを得ない。
そのため、歩行者がいなければ歩道を、
歩行者がいれば車道を走る。
車道と歩道の段差では、勢いよく突っ込むとホイールのスポーク(はりがねのようなもの)
が痛んでしまうので、気を遣いながらの走行だ。
暑いので体力的にも疲れるし、精神的にも疲れる走行になった。
それでもなんとか神戸にたどり着いた。
神戸はとてもお洒落な街で、とても好きな街だ。
よく訪れているものの、一度訪れた思い出の場所にも行きたいな、
でも寄る時間もあまりないしな?
そうも思ったが、折角なのでポートタワー近くの広場に足を運ぶことにした。
この近辺は人の往来も多く、賑やかでいい。
みんなウキウキした気分で過ごしているのが、こちらにも伝わってくる。
そこがまたイイのだ。
神戸のお洒落な街に合わせて、私はズボンの裾を捲り上げた。
足首を見せて初夏にふさわしい足元の軽やかさ、ぬけ感を演出するのだ。
しかし、ウィンドウに映る自分の姿は、
野性味が増しただけで、その風貌はワンピースのルフィのように見える。
お洒落作戦は失敗に終わった。

ポートタワー周辺の広場にて。
みんな思い思いに時間を過ごしている。
あぁー、ここでまったりと過ごしたいなぁ。
普段走ってばっかりの僕もついついそんな事を考えてしまうほど、
私にとっては居心地のいい場所だった。

 

噴水広場では、ある時間になると噴水が湧き出す。
それを見ていると、高校生が噴水の近くではしゃいでいた。
若さが溢れていて楽しいね。
通りすがりのカメラマンも、そんな彼女らを写そうと頑張っていた。
高校生も、撮られているのを意識しているのかどうか分からないが、
少し照れた様子はしゃいでいた。

どんどん距離を重ねていく。
もっと近いかと思っていたら、走行距離は100kmを超えてきた。
走りやすい場所での100kmとは違い、街中の100kmはなかなか堪えるものがある。
平均速度が遅くなってしまうので、走行時間が長くなるのと、
交通量も歩行者も多いので気を使うし、信号も多いので加減速を繰り返さなければならなくなる。
車でも、一定速度で巡航走行をしている時に比べ、
街中でストップ&ゴーを繰り返していると燃料消費率が悪化する。
それと同じ事だ。
上の写真は、自転車道を表す看板であるが、
まぁ変な標識だと思ったので撮った。
自転車のフレームがないし、
後輪はおしりに突き刺さっている。
納得がいかねぇ!笑
この後マックに寄ったら、中学生が職場体験として働いていた。
僕の時ちょうど、中学生の男の子が教えられながらレジ打ちをしていたんだけど、
旅をしてきて今までで一番、
「働かなきゃな」
って思ったよ。ありがとう中学生。
本当に思った。

 

そして辺りは暗くなり、すっかりナイトランになってしまった。
もっと早く着くかと思っていたのに、中々うまくいかないものだ。
今晩おじゃまする友達のわら君は、21:00まで仕事みたいなので
到着には余裕があると思っていたのに、結局ギリギリの時間まで走ることになってしまった。

途中のハーレーショップで撮影した。
アメリカンバイク、かっこいいね。
ただ、乗っている人も似合わないとかっこよくないからねぇ。
バイクに負けないようにしないとね。
自転車もおんなじだ!
いい自転車でも、ちゃんと鍛えていないとかっこがつかないんだ。
僕?段差のたびにお腹が揺れているよ。
HAHAHA!アメリカンだろう?

 

そしてナイトランも佳境に入り、
今日は結果として9時間半、140kmの走行となった。
もう今後街中をこれだけ走る機会はないだろう。
でも、夜景は綺麗だった。
友達が住んでいるところに自転車で行くと、
そこに住んでいる友達の環境がよく分かる気がする。
新幹線や飛行機のように、点と点の旅ではなくて、
自転車だと細長い糸のような線の旅になる。
だから、街から山への移り変わりや、川の景色、
立ち並ぶお店一つ一つからも、その街の雰囲気が伺えるし伝わってくる。
だから自転車で行くと、こんな街に住んでいるんだなってより分かる気がした。

 

それから、わら君と合流した。
わら君とは今から12年前に出会った。
同じバイクに乗っていて、同じバイク乗りが集まるHPのオフ会を通じて知り合った
バイク仲間だ。
しかしお互いその時乗っていたバイクは手放してしまい、
今は原付二種に乗るだけである。
けどどこか似たところがあるみたいで、
バイクのヘルメットは同じ、持ってるカバンも同じ、
わら君も自転車好き、と共通点が多くある。

とても素敵なお家で、お邪魔するのに気が引けたが、
お洒落な家具や家電やら、なにやらがたくさんあって
私を惹きつけてやまない。

 

次の日。
わら君は、今日は休みなのでおすすめのカフェに連れて行ってくれるという。
車に乗り込み、カフェを目指した。
道中、モノレールが走っていたので撮影する。
私の地元岡山には路面電車は走っているがモノレールは走っていないため、
珍しく思えた。

バードというカフェについて、食事をした。
とってもお洒落なお店で、ゆっくりといい時間を過ごすことができた。
時々こうして、落ち着ける時間を持つのもいいな。
旅中ではあるが、そんな事も思った。
ご飯もおいしいし、コーヒーを頂きながらドーナツを食べると幸せの一言。
カフェを後にすると、家に戻ってニンテンドースイッチで遊ぶ。
ぷよぷよとテトリスで遊んだが、10回くらいやったのに1回も勝てなかった。
わら君がいつも手を抜かずに勝負してくれるので、そんなところが好きだ。
その後は録画した弱虫ペダルっていうアニメを見た。
自転車競技が題材のアニメなんだけど、
ゴール手前150mくらいで急に回想シーンが出てきて、
結局ゴールするまでに3話くらいかかるんだよね!
時速何キロで走ってんだよ!って話だよ。
まあ、よくあるんだよ。
野球でも9回になってから急に話の進みが遅くなったりするもんな。
慣れているのにやきもきして、
これでもっと歳とって、おっちゃんになってしまったら、
いよいよそういうのが見れなくなるんだろうな、心は純粋さを失って行くというのかなぁ。

その後は大阪らしく?たこ焼きを買って家で食べた。
大阪のたこ焼きは、どうしてこんなに美味しいのかな??
とにかく大阪は、おいしいもので溢れている。
関西弁もユニークだし、話を聞いていても楽しい。

そして夕食も作ってもらって、
お酒を飲んで、楽しい夜を過ごした。
今日も泊まらせてもらって、2泊させてもらうことになった。
こうして楽しい時間を過ごすと、翌日ちゃんと自転車漕いで走っていけるのかなぁ?
そんな事すら考えしまうけれど、
楽しい時間を過ごした分、頑張らなくちゃな。
そう言い聞かせて、明日の朝から大阪を発つことにする。
たくさんお世話になって、ありがたいことだ。
友達はそうそうできるものでもないけど、
そういう関係があれば、やはり人生は豊かになる気がする。
それはお金では買えないものだし、大事にすべきだとも思った。
無くても困らないかもしれないけど、あったほうが人生が豊かになる。
教養と同じようなものだろう。
それを私なりの結論として、明日から旅の歩みを進めることにする。
明日は、和歌山県に向かおうかな!
休養して十分回復した私の脚で、頑張って自転車を漕いで行くんだ。

 
◆Next







 



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