ニスモのスポーツクラッチキットに交換、レスポンスが少し良くなりました
フェアレディZ33の10万km以上走行した純正クラッチを、ニスモのスポーツクラッチキットに交換した感想を書いていきます。
また、全てではありませんがクラッチ&フライホイールを交換した際の作業の様子を載せていきます。
まずは、今回取り付けたニスモのスポーツクラッチキットを紹介します。
今回取り付けたニスモのスポーツクラッチキット
こちらが今回取り付けたニスモのスポーツクラッチキットです。
Z33前期・中期型に搭載されているVQ35DEエンジン用のクラッチキットで、MT用になります。
Z33後期型に搭載されているVQ35HRエンジンには適合しないので注意してください。
(なお、各社からVQ35HRエンジン用のクラッチキットも出ています)
実際の商品
こちらが実際に届いて開封したところです。
ニスモというブランドから出ていますが、フライホイールにはEXEDYの刻印がありました。
クロモリ製軽量フライホイール、圧着力が17%増しているスポーツクラッチカバー、ノンアスタイプのクラッチ板(他にカッパーミックス、セラメタの設定あり)、
あとは交換用部品としてレリーズベアリングとフライホイールボルトが付属しています。
純正クラッチ&フライホイールとの違いについては、以下の画像の通りです。
純正品と比較して重量が軽くなっており、アクセルON/OFF時の回転レスポンスを向上、加速性能の向上というメリットがあるようです。
その反面エンジンやミッションから共振音が出やすいなどのデメリットもあるので、万人に向けてすすめられるものではないと思いますが、スポーツ走行したい方には良さそうです。
付属品のレリーズベアリングとフライホイールボルト
付属のレリーズベアリングの品番は 30502-69F1A でした。
フライホイールボルトについては品番のシールがなく、不明です。
純正のフライホイール取り付けボルトはT55のトルクスネジでしたが、
ニスモのスポーツクラッチキットに付属してきたフライホイールボルトは頭が14mmという違いがありました。
他に用意したもの
クラッチ&フライホイール交換する際には、合わせて交換した方がいい部品もいくつかあります。
今回はパイロットブッシュという部品を購入しておきました。
部品番号は 32202B950A です。
ミッションのメインドライブシャフト先端と接触している部品です。
他に交換が推奨されている部品は、
・レリーズピボット(VQ35DE)
・各部オイルシール
・クラッチホース
などがあります。
このあたりは車種や年数によっても違いがあると思いますが、
Z33の前期・中期型に搭載されているVQ35DEエンジンのピボットは折れやすいらしく、ついでに交換されている方も多いです。
ピボットボルトが折れると、クラッチが切れなくなってしまうためです。
このピボットは年式によって部品が変わっているみたいで、
・2002年7月~2003年9月
・2003年9月~
と2種類あり、特に前期型初期の頃で2002年7月~2003年9月のものはピボットのネジ部に負担がかかりやすく、折れるケースが多いようです。
ということで特に、前期型の初期の方のZに乗られている方は交換をおすすめしたい部品です。
私は今回ピボットボルトの交換を見送りましたが、強化クラッチに交換するとピボット部の負担が増えるので交換した方が良かったかな?と思っているところです。
なお、ピボットについては強化品がデイトナさんから出ています。
また、フライホイールボルトは普通のネジと違い再使用ができないため必ず新品に交換します。
レリーズベアリングも基本的にクラッチ交換とセットで行います。
交換作業
ここからは簡単に交換作業を書いていきます。
今回クラッチとフライホイールを交換するために取り外した部品は、
エンジンルーム・室内
・バッテリーマイナス端子
・ボンネット内タワーバー
・室内シフトまわり取り外し、その後下方からシフトとミッション切り離し
下回り
・エンジンアンダーカバー付近にある小さいアンダーカバー
・触媒の左右を繋ぐステー
・Yパイプ
・リアマフラーの一部
・プロペラシャフト(外す前に合いマークをする)
・プロペラシャフト付近の補強バー
・ミッションオイル
・レリーズシリンダー
・セルモーター
・ミッションに繋がっている配線
(セルモーター付近、クランクセンサー、触媒センサー、ミッション後方のセンサー2つなど)
ミッション降ろし
・ミッション本体(エンジン側ボルト12本、後方のマウントボルト4本)
・クラッチ、フライホイール
・レリーズベアリング交換、パイロットブッシュ交換
大体このような感じです。
以下、注意した点を書いていきます。
作業時に注意した点
トルクレンチは、必要です。
作業にあたって、リフトやインパクトレンチがあると便利です。
あとはミッションジャッキやそれに近いものがないとミッションの積み下ろしが大変ですし、下手をすると不動車になってしまいます。
Zのミッションはミッションオイルを抜いた状態で65kgくらい重量があるためです。
ちなみにZ33のプロペラシャフトはカーボン製で軽く、だいたい8kgくらいでした。
排気系のボルトは熱でかじりついている事があるため、
取り外しの前に潤滑剤を吹きかけてしばらく待ったあと、取り外しています。
ラスペネの使い勝手がよく、いつも使っています。
他にはベアリング取り外す工具、圧入用の工具、クラッチのセンター出し工具などが必要です。
クラッチのセンター出し工具は、パイロットブッシュとクラッチ板のセンターを合わせるために使う特殊工具で、
私はアストロの汎用品を使いました。
センター出しとは、クラッチ交換を行う際に必要な作業です。
フライホイールやクラッチカバー、パイロットブッシュについては位置が決まっていますが、
クラッチ板は、フライホイールとクラッチカバーの間に挟まっているだけで、
位置を決める工具(センター出し工具)がないと中心がずれていても取り付けられます。
しかし中心がずれた状態ではエンジン側にミッションを組み込むことができないため、
クラッチ板をセンター出し工具で保持しながらクラッチカバーを取り付けてやる必要があります。
この工具はメインドライブシャフトを切ったものを使う人や、丸棒を削り出して自作する人、工具を組み合わせて自作する人など
さまざまいらっしゃるようですが、私は無難に汎用品のものを購入しました。
使い勝手はボチボチでしたが、ちゃんとセンター出しはできました。
センター出しができていないとミッションがエンジンに入らず、もう一度クラッチカバーを外してセンター出しを行わないといけないので、きっちりセンター出しをすることが重要です。
また、クラッチ板には表裏があり、出っ張っている側をミッション側に向けて装着します。
クラッチ板の表裏を間違えないよう注意が必要です。
レリーズベアリングやメインドライブシャフトのスプラインにはクラッチ用のグリスを使いました。
粘度が高めで流れにくいものになっているみたいです。
ただし塗りすぎるとクラッチ板にグリスが飛んでしまってクラッチ滑りの原因になるため、
必要量だけ塗るようにしました。
このあたりはクラッチキットの取扱説明書にも記載されていました。
パイロットブッシュは、ブッシュ内にかためのグリスを詰め込んで内径の合うクラッチセンター出し工具の先端で叩き、
パイロットブッシュに外れる方向の圧力をかけて外しました。
できるだけ多めにグリスを詰め込み、叩いてブッシュが出てくるたびにグリスを補充、その繰り返しで外すことができました。
うまくできている時は、叩く棒に適度な反発力を感じます。
うまくできていない(効いてない)時はどんなに叩いても外れません。
この方法でも外せますが、もちろんちゃんとしたパイロットブッシュを外す工具もあります。
作業が終わったら、逆の手順で元に戻していきます。
・・・結構大変です。
取り付け後、クラッチのミートポイントが変わったので
クラッチペダル根本にある調整ネジとロッドをいじって、ミートポイントを好みの位置に変更しました。
取り外したクラッチ板とフライホイールの比較
ここからは純正クラッチとニスモのスポーツクラッチキットを比較していきます。
こちらは取り外したクラッチ板と新品のクラッチ板との比較です。
右側は107000km走行したクラッチ板です。まだ溝は残っていますが、ちょうどいい交換時期というところでしょうか。
この状態でも目立ったクラッチ滑りの症状はありませんでしたが、少しクラッチのフィーリングが曖昧になっていました。
こちらはフライホイールの比較です。
ニスモのフライホイールは純正と比べると3kgくらい軽くなっています。
加えてダンパーがないタイプになっているため、クラッチのつながりがダイレクトな感じになります。
ニスモのクラッチキットに交換後のフィーリングについて
それでは、交換後実際に走行して感じたフィーリングについて書いていきます。
まずは説明書に書いてあるとおりに、200kmほど慣らし運転を行いました。
乗り込んで初めに気づいたことは、クラッチが重くなったということです。
今までよりも明らかにクラッチが重くなっています。
今回取り付けたニスモのクラッチカバーは圧着力が純正比17%増しということで、このあたりの関係で
クラッチを踏む力が前よりも重くなっているみたいです。
その代わり、390馬力程度まで対応できるとのことですが、
パワーを上げる予定のない方にとっては、ただただクラッチが重くなるだけですので、
渋滞にはまることがあるとか、発進時の半クラ操作を使うことが多い人にとってはマイナスポイントになるかもしれません。
といっても、激重というほどではないので、慣れたら大丈夫かな?というレベルのように感じています。
発進時のクラッチの繋がり方は、純正時よりも少しダイレクト感が増しています。
純正クラッチの時は良く言えば扱いやすく、悪く言えば曖昧なフィーリングでしたが、
ニスモのフライホイールはダンパーがないぶん、ダイレクトな操作感になっています。
Zは3500ccの排気量があり、低速トルクがあるので発進が難しいというほどではないかなと感じました。
ただし、ラフにクラッチを繋ぐとエンストすることがあります。
走り出していくと、アイドリング〜2250rpmくらいの領域でエンジンとミッションの共振音が車内に響くようになりました。
これは乗り方によって音が出たり出なかったりしますが、低回転からアクセルをグッと踏み込んだ時や、
上り坂でエンジンに負荷がかかるような場面では共振音が出やすいです。
結構な音が出ますので、気になる人にとっては気になると思います。
私はこういった機械音が嫌いではないので、まぁいいかなと思っていますが、
一般的にはデメリットと言えそうです。
フライホイール、クラッチ板、クラッチカバーのトータル重量が軽くなったことで
エンジンの回転は上がりやすく、そして下がるのも早くなりました。
といっても、ニスモのフライホイールは控えめな軽量化になっているため大幅には変わっていない印象です。
今回取り付けたニスモのフライホイールは10kg程度ですが、中には6kg台のフライホイールもあります。
そういったより軽量なフライホイールと比べると控えめな感じですが、
運転してみるとフィーリングは結構変わったように思います。
特に、1速で引っ張って2速に入れる場合などでは、
Zの1速と2速のギア比が離れていることと、純正フライホイールの重量が重いために
中々エンジンの回転が落ちてこず、2速につなげるまでに待つ時間がありましたが、
フライホイールを交換後はその待ち時間が短くなり、テンポよくシフトアップできるようになりました。
ここは一番改善したかった点なので、改善できて良かったなと思います。
ただ、それと引き換えにクラッチが重くなったことや共振音がするなどの点もありますので、
全ての人にすすめられるカスタムではないと感じました。
スポーツ走行をよくする方や、少し馬力を上げる予定のある方、乗り味を変えたい方にはいいんじゃないかと思います。
ミッション下ろすとかスゴすぎです!
自分はニスモの軽量フライホイールに純正のクラッチの組み合わせです。
確かにメカノイズはしますがほとんど1人乗りなので気にしていません (でも一応リアトランク下部になんちゃって防音処理はしてます…)
発進は殆ど変わらないぐらい簡単ですよね。
必要ないところでもヒール&トゥして喜んでいますwww
こんにちは!
軽量フライホイールに純正クラッチの組み合わせもいいですね。
クラッチは軽い方が、渋滞の時に助かります。
僕もときどき回転の軽さを実感して楽しんでおります!
動画拝見しました。クラッチ交換までタカアキさんお一人でしてしまうとは、すごいですね!
日本各地にツーリングやキャンプもしつつ、綺麗に乗られており、とても幸せなZ33だと思いました。
DAIさんこんにちは。
クラッチ交換少し大変でしたが頑張りました。
Zの調子はぼちぼちです。今年も日本各地走り回りたいです!