音楽と旅する人【高知】

昨日は宿を探し求めて、
21:00まで走っていた。
泊まる予定の場所の近くはお墓が立っていて、
どうにもその付近で寝ようと思えなかったのだ。
寝ていて、なんだか冷たい手で起こされたらどうしよう!
とか、そんな事を考えると嫌が応にも走らざるをえなかった。
そしてたどり着いたのは無料のキャンプ場だ。
場所は高知県桂浜の近く。
昨日出会ったロックンロールお遍路、爆さんが昨日ここに泊まっていたらしいので、
私もここに来た。
夜はぐっすり眠れた。

 

そして朝。9時まで寝ていた。
うーんよく寝た。
朝ごはんは家から持って来たお米。
2kg持って来たお米も今日でなくなる。
しばらく自炊生活はお休みにしよう。
何故なら、荷物が重くなるためだ。
やはり荷物は軽い方が、体にも自転車にとっても負担が減る。
特に私のアルプス号は、キャンピング自転車のようにフレームが太く、強くできていない。
どちらかというと細くてしなやかなフレームだ。
そこに荷物を積載しすぎると、フレームに負担がかかりすぎて折損の原因になってしまう。
そのためしばらく、自炊はお休みだ。
自炊の時間はとても好きなんだけどな、まぁ仕方ない。

 

ご飯をベンチで食べていると、一人のおんちゃんがやってきた。
おはようございますと挨拶をすると、そのおんちゃんは私の座っているベンチに腰掛けて、
どこから来たのか、そしてどこまで行くのかと尋ねて来た。
そして次第におんちゃんは自分の事を語り始めた。
子供のこと、甥のこと、奥さんとの出会いに至るまでを、私に語りかけて来た。
99%おんちゃんが話し、残りの1%は私の相槌だ。
おんちゃんはマッシュルームを育て、奥さんは花を売って生計を立てていたらしい。
オランダに初めて行ったとき、ガッツポーズをして
「本当にここまで来たぞ!」
と感無量になったとか。昔の話だから、今ほど海外旅行がメジャーではない時だ。
そして私には、
自分が本当に好きなものを見つけなさい、
出会いが自分を変えてくれる、自分の中にあるものを、引き出してくれるのだ
どんな人と巡り会えるかで人生も変わる
新しいことをやるときは、大抵反対される。でも結果がついてくれば誰も反対しなくなる。結果が全てなんよ
と、たくさんの言葉をくれた。
しかしである、30分ほど話をしたところで、
そのおんちゃんは

 

 

Tシャツの袖をまくりはじめた

 

 

のである。
これはまずいぞと、もう一人の私はいう。
そう、そこからおんちゃんは本気で語り始めたのだ。
私はキャンプ場の空気と一体になりながら話を聞いた。
やはりありがたい話が多かった。
それから1時間ほどして、
「それじゃあそろそろ行きますね」
と私はおんちゃんに別れを告げた。
おんちゃんは、
おんちゃん「これも出逢いのひとつやき!」
と言って去って行った。
ありがとうおんちゃん。
おんちゃんとの1時間30分は、まるで一冊の本を読んだかのようだったよ。

 

 

そして時刻は11:30。
その後温泉わくわくが通用する温泉に行った。
山翠園という旅館の日帰り入浴を利用した。
受付の方も温泉わくわくを利用する人が多いのか、慣れた感じで対応してくれた。
とてもすっきりして、温泉を後にする。
しかし、体重が全然減らないのは何故だろう?
食べすぎなのか?

 

そして今日は生まれて初めて、
コインラインドリーを利用した。
コインランドリーってさ、何で存在しているのかイマイチわからなかったんだよね。
だって家に洗濯機あるじゃん!ってさぁ、思っていたんだ。
だけど、実際に利用してみてその存在意義がわかったよ。

 

コインランドリーには、とても大きな洗濯機があるんだ。
その洗濯機の大きさによって、値段が違ってくる。
例えば僕の利用したランドリーは400円だけど、
もっと巨大で布団とか洗えるものは1200円くらいする。
そう、家の洗濯機で洗えないような大きなものを洗濯するときには、
コインランドリーが役に立つんだね。

 

僕は400円で洗濯をした。
洗剤は自動投入されるから、わざわざ洗剤を持っていなくても良い!便利だね。
洗濯時間はクイックコースという短い時間で洗えるコースがあったようだが、
それを知らなかったので普通の洗濯コースにしてしまった。
すると、35分もかかるんだね!洗うのに。
まぁ、その分綺麗になるからいいけどさ、
その時間持て余す訳。
すると、名案を思いついたんだ。
僕は家から今日に至るまで読まなかった小説を持って来ていた。
買ったものの読まなかった、読む暇と気力がなかった小説を今ここで、
引っ張り出して来たんだ。
すると楽しいね!
洗濯している時間に小説を読む!
かっこいいね!

 

・・・なんだかモテそうだね!

 

こうしてゆっくりとした時間を楽しんだ。
洗濯が終わったら、今度は10分100円で乾燥機にかける。
するとどうだろう、くっせー洗濯物も、
すっきりやわらかに仕上がったよ。
コインランドリーって素晴らしいね。
人生で初めてすること、やること、
それはなんであろうとわくわくしてしまう。
歳とるごとに、経験したことが多くなって、
子供の頃のような純真は薄れがちになるけれども、
そこで思い切って初めてのことをしてみると、
こどもの頃のような、新鮮な気持ちを思い出せる、
そう思った。

 

 

それから、すっきりとした衣類を見にまとい僕は海岸沿いを走って行った。
すると、コンビニに一台の自転車が停まっていた。
それは見覚えのある、特徴のある自転車だった。
それは、昨日だったか、
道の駅須崎で出会ったロックンロールお遍路の爆さんと出会ったときに、
こうこうこういう自転車で栃木から日本一周しているやつがいるから、
もし出会ったらよろしく言っといて、とその日本一周している人の写真を見せてくれたのだ。
その写真で見た自転車が今まさに、コンビニに停まっているではないか。
僕はすぐにコンビニに自転車を停めて、コーヒーを購入し、
その自転車の持ち主であろう人に、話しかけた。
その人はコンビニのイートインスペースにいて、なにやら携帯をいじっているところだった。

 

 

ぼく「あの自転車の人ですか?」

 

 

その人は、たけはるさんという。
栃木から日本一周に出かけて今年で3年目の大ベテランだ。
とても綺麗なコバルト色のグレートジャーニーという自転車に乗っている。
膝を痛めて、今は1日30kmくらいしか移動できないとのことだ。
たけはるさんはウクレレを持ち歩いて、時折音楽を楽しみながら自転車で旅をされている、
とても素敵な方だった。
まだ旅に出て日の浅い僕に、たくさんのことを教えてくれた。
夏は水分だけでなく塩分も摂らないと熱中症になること、
野菜も食べないとある日ズドーンと体が重くなること、
100均で使えるアイテムがたくさんあることなどなど、
たくさんの情報を教えていただいた。

 

今日は、すぐそばの道の駅で泊まる予定とのことで、
僕も一緒に泊まれば?とお誘いをいただいたが、
僕はじいちゃんの49日の関係であまりゆっくりとしてはおられず、
決められた日までには一旦岡山に帰らなくてはならない。
だから今日は自分の目的地まで走る事を優先し、たけはるさんと一緒に過ごすことはできなかった。
しかしまた会えたなら、その時は一緒にお酒を呑みたいな。
たけはるさんは、ウクレレでスピッツの空も飛べるはずや、カントリーロードの曲を弾いてくれてとってもかっこよかった!
私も、旅に楽器を持って行きたいな、そう思わせるほど素敵なもので、
弾いているたけはるさん自身も楽しそうに見えた。
本当に、いい時間を過ごせた。
またどこかでお会いしましょう。

 

それから、目的地へと向かって走った。
随分、日が暮れて来た。

 

これは、津波が押し寄せて来たときのための防災塔だ。
忘れてはいけない津波の事。
いつでも危機感を持つ事が、大事なのかな。
僕には多くは語ることはできないけれども、
大事だということは確かなことだ。

 

ナイトランになってしまった。
寝床につくと、母親から9年ぶりにメールがあった。
「元気にしていますかどこにいますか」
と。
「今高知にいます、元気にしています」
と返信した。
母親は高知出身だからなぁ、
うーん、土産に酒でも買っておこうかなぁ。
でも荷物が重たくなるからやめとこかな( ̄▽ ̄)

 

◆Next







 



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