「Z33のデフマウントブッシュは、亀裂が生じやすく交換を迫られることが多い」
という情報は、Zを購入する間から得ていた。
という情報は、Zを購入する間から得ていた。
このデフマウントブッシュは、純正では単品で部品が出ないようで、
交換するとなるとデフマウントブッシュが圧入されたリアメンバーAssyでの交換になるらしく、
部品代が5万円、そこに工賃を入れて約13万円程度の出費になるらしい。
しかし、オーストラリアのホワイトライン社が、Z33に適合するデフマウントブッシュを販売しており、
そのデフマウントを用いれば部品代が2万円程度、それに工賃を入れて6万円程度で交換できるようだ。
なお、工賃はお店によって異なり、2万〜4万円とお店によって開きがあるようだ。
今回の記事では、デフマウントブッシュを交換した際のレポートを書いていく。
作業の様子
これがホワイトラインのデフマウントブッシュだ。
ポリウレタン製とかなんとかで、ゴム製ではない。
純正はゴムの中にグリスが入っている構造だが、ホワイトラインはグリスレスなので、グリスが漏れ出して性能が落ちる心配はない。
この他に、
「デフマウントブッシュ交換用特殊工具」
を2万円ほどで購入した。
この特殊工具があれば、デフマウントブッシュが圧入されているリアメンバーを降ろすことなく、
車載状態でブッシュを抜き取り、挿入ができる。
リアメンバーを降ろす作業は、プロでも3時間ほど余計に時間がかかってしまうようなので、
それならば特殊工具を買ったほうが安いかな?と思い購入した。
このジャッキは、セールで13,000円くらいだった。
Zに使うにあたって、どんなジャッキがいいのか店員さんに相談してみたら、
少なくとも2トン以上の能力があって、そしてある程度重いジャッキのほうが安定性は良いですよ。
との事だったのでこちらにした。
この他に、ロングプライヤーと14mmのロングめがねレンチを購入した。
すでに、お店に出して交換してもらう金額を上回っている。
なんやかんやで65,000円くらいかかった。
だけど、ジャッキとリジットラック、工具は他でも使えるからいいかな?
Zを購入してすぐにチェックしたが、購入した時からこの状態だった。
中古で買ったので、お店に言ってもよかったのかもしれないが、
そこまでするとお店も大変だろうと思ったので、自分で交換しようと思っていた。
一応、納車前整備ということでブレーキパッドや、バッテリー、各種交換をしてくれていたので、
デフマウントブッシュは自分で対応しようと思った。
作業に邪魔な場合はマフラーを外し、
デフオイルを抜き、
デフにくっついているカプラーを1つ外し、デフのブローバイガス放出用ホースを1つ外し、
プロペラシャフトのデフ接合部のボルトナット4個、
ドライブシャフト左右のデフ接合部のボルトナットを片方6個、左右で12個を外した後、
デフと車体をつないでいる2本のボルト、1個のナットを外して、
その際デフをジャッキで支えながらボルトを外し、慎重に車体から下ろした。
私はスタビライザーを外さずに作業を行った。
本当なら、スタビライザーも外した方が作業はやりやすいと思う。
ここで、デフの重量を測定・・・。
まずは私が体重計に乗る。
61,6kgとある。
車体の軽量化を進めている私だが、ドライバーにも軽量化の余地がある。
次に、デフを持ったまま体重計に乗る。
100,6kgとある。
つまり、デフの重量は約39kg(オイル抜き)といったところか。
重たいな〜。
デフがあと10kgくらい軽ければ、一人でも作業しやすいだろうが、
この重量では、人力では難しい。
他の車種では、デフを降ろす際に腕とお腹で受け止める「お腹ジャッキ」
というかっこわるい名称の技があるそうだが、
Zでそれをやると、何かしらどこかしら折れるかもしれない。
普通の人はやめておこう。
この特殊工具は、ベアリングが用いられていてボルトナットを締めこむ際の負担を軽減させる凝った作りになっており、
自作するのは難しそうだ。
セントラル20さんでは、デフマウントブッシュを抜く時は普通の工具だと壊れるから特注で作った、という記事を書いていた。
そのことからも分かるように、ちゃんとした工具でないと抜くのは難しいだろう。
特殊工具がない場合は、エアソーなどでマウントブッシュ外側の金属に切れ込みを入れてやり、
破壊して取り外すそうだ。
私は、リアメンバーごと切断しそう(不器用なので)なので特殊工具でぬきとる方法をとった。
画像を見ると分かるように、どちらか一方向からしか挿入、抜き取りできないようになっている。
私は最初、それが分からなかったので苦戦した。
こちらの方は、基本的には叩けば外れるらしいが、
私のは少し固かったので先ほど用いた特殊工具を使って取り外した。
取り付けはイージーだ。
ブッシュの位置決めは、それほど気にしなくても良い。
あとでデフを取り付けてナットを締めこんでやれば、勝手にいい位置に収まってくれるはず。
ブッシュは、純正の3点が約1,200gで、ホワイトラインのは約830gほどだった。
この重量の違いは、ブッシュに使われている金属の量が、ホワイトライン製のものの方が少ないためだ。
よって、純正からホワイトラインに交換すると3~400g程度の軽量化にも貢献する。
作業は、休憩とご飯タイムを含めて、9時間で終了した。
休みの日なのに働いている気分だ。
さて、試走にでかける。
交換した日はあいにくの雨だった。
それでも走りに出かけた。
1速〜2速のショックがやや緩和されていたり、
低いギヤでぐっとアクセルを踏み込んだ時の、リアタイヤの接地感がいいような気がしたり、
高回転まで回して次のギヤに入れた時、回転が落ちきっていなくてクラッチがドン!と繋がった時も、
以前と比べるとショックが少なくなっている。
1発でショックが収まる感じで、不快じゃなくなっている。
コーナーなどでリアが滑った後に、通常状態に戻る時もごくごく自然で気持ちが良い。
いろんなシチュエーションで、デフマウントブッシュを交換したことが体感できた。
ホワイトラインのブッシュは、見た目は硬そうだけど手で揉んでみると実は柔らかくも感じられた。
さらに、衝撃を逃がすためなのかブッシュには穴が開けられている。
これらが相まって、デフの動きを上手いこと逃しているのではないかと想像する。
・・・、過酷な状況に耐えているデフマウントブッシュだが、
私のZはしばらくは大丈夫だろう!
これで気兼ねなく、マフラーのフロントパイプが交換できるかな。
参考のため、デフの動きについて下の2つの動画を貼り付けておく。
デフが動く様子
デフが落ちたらしい
追記
デフマウントブッシュを交換後、
アクセルを踏み込んでトラクションをかけた時だけ
「キュルキュル」
といった異音がリアまわりから発生するようになった。
ミッションをニュートラルで吹かしても、ニュートラルで惰性走行しても、巡航状態でも異音は発生せず、
トラクションをかけた時だけ異音が発生する症状が起きたため、もう一度デフ周りを点検した。
よくよく観察してみると、デフ直前にある金属の板が変形していて、それがデフと干渉していた。
これは、デフ取り付け時に私が作業ミスで変形させたものだ。
これは、ペンチで修正しておいた。
ひととおり点検したが異常はここだけだったので、試走にでかけた。
すると、異音はしっかり直っていた。
これでようやく、デフマウントブッシュ交換完了だ!
トラブルもあったが、よりZに詳しくなれたかな。
Zは、プロペラシャフトがカーボンでできているし、
下回りを覗いてみるとアルミ製の部品が多く、
軽量化にも努めているのだなぁと感じた。
内装はあんまり豪華な感じしないけど、こういう見えない所にお金がかかっているんだなぁと思った。
Zは、重くなった1,500kgじゃなくて、軽く収めた1,500kgなのかな?
と思った今日この頃。
KUNIちゃんさんはじめまして。
デフマウントボルトですが、破断してもおかしくない構造だと思います^^;
大事故にならず幸いでしたね。私も気をつけます–;
車検から500キロ走行、新車より45000キロで東名走行中デフマウントボルト破断、他にヒットすることなく路肩に停車し難を逃れました。栃木の@プライマルさんでは、リアメンバーを二点指示の物を制作しています。