車の静音化に使用した材料の特性について【制振,吸音,遮音】

フェアレディZ33の静音化にあたって、静音化の肝となる制振材吸音材遮音材を使いました。

このページでは、静音化に使用する材料の特性の違いについて気付いたことを書いていきたいと思います。

例えば、一口に制振材と言ってもレジェトレックス、レアルシルト、オトナシートなど種類がありますが、

それらにどのような違いがあるのか?

という事を分かる範囲で書いていきたいと思います。

静音化の肝となるのは、

 

制振

吸音

遮音

 

の3つです。

まずは、不要な振動を抑える役割を持つ制振材について書いていきます。

 

制振材について

不要な振動を抑えるために使用する制振材は重量があるものが多く、

重さのあるものを貼り付ける事で振動を抑える、というイメージです。

振動を抑える事はロードノイズを抑えることにも効きますし、振動が減って快適になるというメリットもあります。

しかし材料を使いすぎるとどんどん車が重くなってしまうというデメリットもあります。

そんな制振材にもいくつか種類がありますが、ここでは私が使用した制振材とその特徴について書いていきたいと思います。

 

ここからは、実際に私が使用した3つの制振材の感想を書いていきます。

なお、制振材についてはこれから紹介する3つ以外にも種類がありますが、

私は使用したことが無いため、ここでは書きません。

 

レジェトレックス

まずはレジェトレックスについてです。

レジェトレックスは純正の制振材にも使われている材料です。

特徴としては安価で粘着力が強い事ですが、ブチル系制振材を使用しているため、一度貼ってしまうと剥がすときにブチルゴムがくっついてしまいます。

そのため使うなら、一度貼ったらもう剥がさない、という場所に使うのが良いです。

また、熱に弱いという点があるため熱が加わる場所に使うと粘着力が落ちたり、ベタベタになって制振効果が薄れる可能性があります。

シート状のものをカットして使用しますが、表面はアルミでできているため切るときに手を怪我しないよう、手袋をして作業するなど注意が必要です。

 

レアルシルト

次にレアルシルトです。

レジェトレックスと似ていますが、違うところはブチル系ではなく樹脂系の制振材が使われています。

そのため、レジェトレックスと違って貼り直しても跡が残りません。とても使いやすい印象を受けました。

また、レジェトレックスよりも熱に強いので、ある程度熱くなる場所にも向いています。

元々はドアのデッド二ング(音響チューン)用に開発されたとのことで、ドアのデッドニングにも適しています。

私はドアのデッドニングの他にも、ルーフやフロア足元等の熱が加わりやすい箇所、そしてレアルシルトは見た目がブルーでかっこいいので、

目に見える範囲にもレアルシルトを使いました。

 

ただ、レジェトレックスと比べると3倍程度の値段で、高価です。

値段以外は、文句無しの制振材だと思っています。

使用する制振材を全てレアルシルトにするとかなりお金がかかってしまうため、私は安価なレジェトレックスと併用しました。

ちなみにレアルシルトもレジェトレックスと同様、表面がアルミでできているため切るときに手を怪我しないよう、手袋をして作業するなど注意が必要です。

 

オトナシート

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最後にオトナシートです。

オトナシートは黒い色をしたアスファルト系制振材です。

名前の通り、アスファルトのような臭いがあります。

レジェトレックス、レアルシルトのようにカットして使用したり、そのまま貼ってもOKです。素材がそれほど硬くないため、レジェトレックスやレアルシルトのように怪我をする心配はないです。

少し柔軟性があり、曲面や凸凹にも馴染みやすいのが特徴です。

また、この3つの制振材の中では最も安価です。

 

弱点としては、一番に挙げられるのがにおいです。

室内に大量に使ってしまうと、鼻につく臭いがするので注意が必要です。

使用前に外に出しておくと臭いが弱くなりますが、完全に無くなる訳ではありません。

使うなら、臭いが気にならない場所に使う方が良いと感じました。

また、レジェトレックスやレアルシルトと比べると粘着力が弱いため、

背面となる場所や垂直の場所には不向きです(これは商品説明にも記載されています)。

私は、目立たない場所やトランクスペースにオトナシートを使用しています。

吸音材について

次に吸音材ですが、

吸音材は、使用する事で音が静かになるというイメージです。

重量が軽いのでたくさん使っても重くなりにくいです。

内装の内張に貼り付けたり、マットの下に敷いたり、

空洞に詰める事で制振も兼ねた施工をすることもできます。

 

吸音材は断熱材の側面を併せ持っているので、断熱に効果のある場所に使えば、

夏場はエアコンの効きが良くなったり、冬場は暖かくなったりするというメリットがあります。

ここでは私が実際に使用した3つの吸音材を紹介します。

 

ニードルフェルト

ニードルフェルトは純正にも使われている材料で、非常に安価なのが特徴です。

吸音、断熱効果があります。空間に詰め込めば振動を軽減するのにも役立ちます。

しかし埃がでやすいです。

私はフレームの空間に詰め込んだり、フロアマットの下に敷いたりして使用しました。

安価でありながら、効果は高いと思います。

 

シンサレート

シンサレートも純正で使われています。

吸音、断熱効果があり、ニードルフェルトと比べると軽量です。

2枚重ねにするとより高い吸音効果を発揮します。

軽いためスプレーのりなどで内装の内張に貼り付ける事もできます。

ちなみにシンサレートは布団や衣類にも使われている素材です。

ニードルフェルトのような埃が出にくく軽量なため使い勝手は良いですが、

ニードルフェルトと比べると高価です。

しかしルーフなど重量を重くしたくない場所等には効果的だと思います。

 

エプトシーラー

エプトシーラーはスポンジのような手触りで、ニードルフェルト、シンサレートとは違ってあらかじめ素材の裏面に粘着剤が付いているので使いやすいです。

エプトシーラーは隙間テープや、内装のビビリ音解消テープに使われている素材で、車の純正部品にも使われています。

そのため静音化以外の用途として、内装のビビリ音がする箇所にも使えます。

厚みは5mmや10mmのものもあり、場所によって厚みを使い分けることもできます。

私はルーフに5mm厚のものを貼り付けました。

吸音だけではなく、ビビリ音が気になる箇所に貼り付けるという使い方もしましたので、何かと使い勝手の良い材料だと感じました。

 

遮音材について

遮音材で代表的な物で言うと遮音シートというものがあります。

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制振、吸音をしても発生する音を遮音、つまりシャットアウトするというイメージです。

しかし遮音シートは少量で売っていない場合もあり、上記リンクのように遮音シートを10m単位で買ってしまうと使い切るのが大変かもしれません。

遮音シートも制振材と同じく重量があるものなのですが、私は車をあまり重くしたくなかったという事もあり、

今回遮音シートは購入しませんでした。

その代わり、遮音効果のあるものを求めてエーモンのロードノイズ低減マットを使用したのでこちらの商品のレビューをしていきます。

 

ロードノイズ低減マット

これは、遮音材に薄い吸音材が付いているものです。

通常はフロアマットの下に敷いて使う物です。

テストで使用したところ、これをフロアマットの下に敷いただけで

荒れた路面を走行した時に足元に伝わってくるザラザラ感が軽減されました。

私の車の場合、ロードノイズの低減にはあまり効果が感じられなかったので、

静音化というよりは、振動を抑えて快適なドライブの実現に効果があると感じました。

 

私はフロアカーペットを剥がしたフロアの上に制振材と吸音材を追加し、

更にその上にロードノイズ低減マットを敷いて使用しています。

遮音、吸音というよりは、振動の緩和を目的として使っています。

10m巻きの遮音シートを買っても、私の場合は余らせてしまうので

このロードノイズ低減マットを少量買うというスタイルも有りかなというところです。

車のサイズが大きい場合など、車種によっては10m巻きの遮音材が活躍すると思います。

まとめ

このように、静音化にはたくさんの材料があります。

ここで紹介していない材料も多くあります。

それら材料のメリット、デメリットを把握して適材適所に施工するというのは

とても知識がいることだと感じました。

この場所にはこの材料をこれくらい使用すればこれくらい静かになるだろう、

という知識は、静音化作業を実際に行なって身につけるしかないと思いました。

しかしDIYで作業する場合は、その過程も楽しめると思いますので

自分の車を静かにしたい方や、振動を減らして快適なドライブを楽しみたい方には

静音化はおすすめの作業です。

実際に作業したページ

実際に行った作業のページはこちらです。

Z33 静音化Part.1 リア周りの静音化

2018年11月21日

Z33 静音化Part.2 フロア,ルーフの静音化

2018年11月28日







 



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