自転車で日本一周がしたい!
そう思っていた私は2018年5月から2週間かけて四国一周をし、
6月から9月までの3ヶ月間で東日本,北海道を走った。
残すは西日本,九州,沖縄だ。
だが、これまでに走った8,000kmの道のりで
自転車にはだいぶガタが来ている。
私の自転車は1980年製のアルプス・クイックエースという自転車だ。
アルプス号という愛称をつけている。
父親が若い頃にオーダーして組んでもらった自転車で、
ランドナーという旅向けのカテゴリーに属している自転車なので
これに乗って日本一周に出た訳だ。
しかし、長距離走ったせいで
後輪のスプロケットが摩耗してしまい、チェーンとの噛み合いが悪くなっており、
4速が使えない状況だ。
そこで新しいスプロケットに交換したいところだが、
このアルプス号に使われている5速のスプロケットは現在生産されていない。
今は軽快車でも6速が採用されており、
ロードバイクなどでは11速が採用されている。
5速はもう需要がないため、生産されていないのだ。
そのため、現在生産されている6速以上のスプロケットに変更したい。
こうなると、後輪ごと取り替えてやる必要があるが、
それにはいくつかの問題がある。
次に、私が5速から7速に変更するために行ったことを書いていく。
ちなみに、作業のほとんどはアルプス号の初代オーナーである
父親が行ってくれた(^^ )
5速を6速以上のスプロケットに変更する際の問題点
現在ついているホイールには、基本的には6速以上のスプロケットを取り付けることはできない。
それは、スプロケットの取り付けには
・ボスフリー式
・カセット式
の二種類があり、古い自転車と現在の自転車ではスプロケット取り付け方法が違うため、
ホイールを交換(厳密にはハブと呼ばれる車軸)しなければ
現在主流の6速以上のスプロケットが取り付けられないのだ。
では、手っ取り早くホイールを交換すればいいのだが、
私のアルプス号は650Aというホイールサイズであり、
このサイズはママチャリなどに多く使われているものの、
スポーツ車では使われていないため、
650A用の交換用ホイールというのは容易に入手できるものではない。
現在主流の700Cという規格のホイールであれば、
交換用ホイールが売られているので入手できるが、
アルプス号の650Aと700Cでは直径が違う(700Cの方が大きい)ために色々と手直しを迫られたり、
フレームに干渉して取り付けられないなどの問題が生じてくる。
また、仮に700cのホイールに交換することができても、
古い自転車のホイールが嵌まる幅(エンド幅)は120mmに対して、
現在のロードバイクでは130mm,マウンテンバイクなどでは135mmの幅のため、
装着する際は後輪が嵌まる所のフレームを少し広げて無理やり装着する形になる。
柔軟性のあるフレームなら問題が起きないかもしれないが、
フレームによっては規格外のホイールを取り付けたことによってフレームに問題が生じる恐れがある。
実際に5速を6速以上のスプロケットが付く後輪に変更する方法
5速のスプロケットを6速以上に変更したい時、問題点として上がったのは
- 現在のホイールには6速以上のスプロケットが付かないため、ホイールを交換する必要がある
- しかし、650Aの完組(できあがっていてすぐ取り付けられる状態)ホイールは中々ない
- アルプス号のエンド幅120mmに対して、現在は130mmや135mmのものが多いのでポンとは付かない
ということだ。
これらをクリアしていく方法は、
6速以上のスプロケットが付くハブ(車軸)に、
650Aのリム(ホイール外側の部分)を自ら組んでやることだ。
これを、ホイールを手組みするというらしい。
こうすれば、650Aで6速以上のスプロケが使えるホイールが完成する。
エンド幅は使用するハブによって決まってくるが、
135mmではなく130mmのものを使えば
120mmエンド幅のフレームにも入りやすい。
ホイール手組み風景
部品などは父親が掘り出して来たものだ。
左側が7速のスプロケットで、右側はマウンテンバイク用のハブらしい。
135の車軸をカットして130mmに加工したそうだ。
別にこれでないと付かないという訳ではなく、
現行品のシマノのハブでも使えるそうだ。
このハブにスポークを通し、
ハブに通したスポークをリムに組んでいく。
スポークの組み方にはいくつかやり方があり、
選択するハブとリムの組み合わせ、そしてスポークの組み方によって
必要なスポークの長さが決まる。
ホイールが組めたら振れ取り台にかけてスポークのテンションを調節し、
ホイールのバランスをとってやる必要がある。
父親に教えてもらいながら作業したものの、素人には難しいと感じた(- -; )
こうしてホイールが組めた。
今回は7速のスプロケットがたまたまあったようなので、
7速仕様になった。
5速から7速になったことで、以前よりも軽いギアと重いギアが追加されたような感じだ。
ハブとスプロケットの組み合わせによっては、ワッシャーを追加するなどしないと
フリーという回転部分が渋くなることがあるみたいだ。
また、今回はフレンチバルブ対応のリムを英式バルブが使えるように、
バルブ穴を拡大した。
これによって、手に入りにくかった26 1 3/8のフレンチバルブタイプチューブから、
ホームセンターでも手に入る英式チューブが使えるようになった。
これでチューブの入手に頭を悩ませる必要はなくなった。
組んだホイールを車体に組み付ける
組んだホイールを車体に組み付ける。
今回は
MTB用のハブに7速スプロケを付け、車軸を135mmから130mmに変更したハブを
650Aリムに組み付けたものを、
120mmエンド幅の自転車に組んだ形だ。
非常にややこしい。
120mmエンド幅の自転車に
130mmエンド幅のホイールを取り付けたため、
少しフレームを広げながら装着する必要があったが、
取り付け自体はできた。
アルプス号のフレームはハイテンという鉄でできているため、
柔軟性があるのでそこまで力は要らなかった。
実際に組んでみると、リアキャリア取り付けボルトにスプロケットが干渉してしまうことが分かった。
そのため、ワッシャーを追加して後輪を車体センターから少し左側にずらしてやることで、
スプロケットとリアキャリア取り付けボルトとの干渉を回避する策をとった。
リアディレイラー(変速機)の交換
7速のホイールが嵌まったら、リアディレイラーも交換する必要がある。
元々付いていたザックスユーレーの変速機は5速用のため、
7速に対応していない。
そこで新たにシマノの変速機に交換した。
アルテグラという結構いいグレードの部品だ。
新品で1万円程度だろうか。
グレードによってはもっと安く手に入る。
リアディレイラーは後ろが何速か、というだけでなく、
前後のスプロケットの歯数も適合に関わってくる。
前後のスプロケットに応じたリアディレイラーを選ばなければ、
変速ができなかったり、変速できてもチェーンが弛み過ぎてしまうなどの問題が生じると、
父親が教えてくれた。
今回はこのアルテグラのリアディレイラーがちょうどよかったため、購入した。
なお、このディレイラーは11速まで対応するものなので、7速にも使用できる。
前後のスプロケットに応じた長さのチェーンに交換した。
チェーンは6,7,8速用のものを使用した。
ちなみに5速の時でも、この6,7,8速用チェーンは使用できた。
クランクの交換
フロントのスプロケットも交換したいところだが、部品がない。
そのためクランクごと交換することにした。
これも中古の部品で、SORAという安いグレードのものだ。
新品だと8,000円くらい、中古で半額だった。
34-50のスプロケットが付いていて、
それまで付いていたのは30-45のスプロケだったため、
フロントだけで言えば、漕ぐ力が重くなり、最高速が伸びる仕様だ。
しかしリアが7速になったことで、結果的には上り坂も以前より軽いギアが使え、
最高速も伸びるようになった。
クランク長はこれまで165mmだったが、170mmに変更した。
クランク長が長くなることで上り坂でクルクルと回して走るのはやり辛くなったが、
トルクをかけて加速する時ではスピードの乗りが良い。
クランク長の違いがロングライドでどう影響してくるか楽しみだ。
BBの交換
BBとはボトムブラケットの略だそうだ。
アルプス号のBBは、クランク軸の両端にベアリングの輪っかが付いたものをフレームに固定し、
そのクランク軸にペダルを取り付けるというものだったが、
最近の物は構造が違うものもあるようだ。
しかし、アルプス号のフレームには68mmのJIS規格のBBなら付くらしく、
現行品のBBが付くと分かった。
現行品のBBが付けば、現行品のクランクも付く。
そうすればフロントのスプロケットがすり減っても交換部品が出るという訳だ。
今回取り付けたのはシマノの中空タイプのBBだ。
BBを交換して、回転性能も良くなった!
無事にクランクも交換できた。
なお、BBの交換にはある程度工具が必要だ。
まとめ
これで5速→7速化完了だ。
行った作業を書く。
- MTBのハブに650Aリムを手組み、スプロケは7速を使用
- 車体の干渉を避けるために後輪にワッシャを噛ませるなどする
- BBを交換し、SORAのクランク(34-50丁)取り付け
- 前後のスプロケに合うリアディレイラー(11速対応)に交換
- それに合わせてチェーンを交換(6,7,8速用)
- 前後リムのバルブ取り付け穴を拡大し、入手しやすい英式バルブが使えるようにした
- 旅に備えて前後タイヤ交換
次回は、後輪のブレーキが不調だったことから行った
後輪のカンチブレーキ交換と、
他に行った細かいメンテナンスについて書いていく。
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